春の終わりに引っ越した先
以前、春の終わりに引っ越した先は、駅から徒歩15分ほどの場所にありました。国道から入った住宅街で、周囲にはお店がほとんどなく、地域での活動が比較的盛んな町だったと思います。
駅歩15分とは思えない、自然の豊かな、空気の良い場所でした。
裏に大きな自然公園があり、昨今ではデパートで見掛ける方が多いカブトムシやクワガタが、朝の涼しい時間には、家の前の通路にいました。その自然公園では夏に納涼祭りも行われました。この時の引っ越しで、初めて地区の理事の係りもまわってきました。
周囲には自然公園の他に、あちこちに畑も見られました。全体的に見晴らしが良く、緑の多いところでした。
引っ越してきて、とても良かったのは、向かい側に桜の木が等間隔で植えられていて、ベランダを開けると、いつでも桜がそこにあることでした。ベランダ側にある部屋を寝室にしていたので、ベッドからも、春は満開の桜、夏は濃い緑の影、秋は紅葉、冬の雪の日には絵のような雪景色が見られました。その分、ちょっとベランダの引き戸や玄関を開けただけで蚊が入ってくる点は困りましたが。
仲良くしてもらったご近所の方は、皆比較的若い世代でした。
何年かすると、皆、それぞれに新たな場所へ引っ越しをしてしまい、それが寂しかったのを覚えています。具合が悪いと声をかけてくれ、買い物のついでに必要なものを買って来てもらったり、新しいお店ができると、皆で行ったり、家の行き来をして、お昼や夕飯を一緒に食べました。同じ建物内に住んでいるので、雨や雪の日でも、行き来がしやすかったのも良かったです。たまたま同じ時期に同じ場所に住んでいただけだったかも知れませんが、皆がいてくれたから、やってこられた、楽しく過ごせた、と思うことが沢山ありました。
引っ越してすぐの頃、家に呼んでもらったこと、町内のお祭りに誘ってもらったこと、市の花火大会の日は、建物の屋上で花火を見ようと声を掛けてもらったこと。
慣れない場所で、この先、やっていけるのかな、と不安だった当時の私を助けてくれた沢山の方々には、今もとても感謝しています。